お茶事へのいざない
「心静かにいただく一服のお茶」大寄せの茶会ではとても想像のつかない世界が「お茶事」です。露地での主客ともに無言の迎付。蹲踞で身も心も清め、にじり口より薫香の茶室へ席入りし、この時初めてかわす主客のあいさつ。
懐石が運ばれ季節折々の海の幸山の幸を賞味できる楽しさ、それぞれの鉢に盛られた美の調和を堪能し、腰掛けでくつろぐ中立、そよぐ風にやがて嫋々と聞こえてくる銅鑼の音が後座への席入りです。
ふたたびにじり口を開けた時、床の美しい花に心がなごみ濃茶から薄茶へと主客ともどもに茶の真髄に陶酔し余情を残しつゝ一期一会に散会していく。この醍醐味を胸により多くの皆様と共にと思いを馳せます。
(上写真) 雨の中で露地笠を使ってのつくばい。
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